Gure8
前回(2022.4.25)IK氏と釣行した際、ライトグレー(ほぼホワイト)のゴアテックストーナメントレインを着用での登場に目を引かれていたのだ。

このホワイトのウィンターモデルは以前から気になっていただけに、帰宅した後もIK氏の姿が目の奥に焼き付くほど鮮烈に映っているのだ。

そして、以前の記憶が甦る。
そう、それは、このホワイトのウィンターモデルを購入しようと釣具店ポイントへ出掛けたのだが、この時は発売時期より少し出遅れてしまい、慌てて注文したのだが、時すでに遅しと完売であった。

日本中のポイント店舗を調べてもらったのだが全て売り切れ。

更に、ダイワに連絡していただいたのが完売であり追加はしないと言う回答であった。

それを欲しくなったのは、パンフレットを見た時にダイワ最高峰の素材と技を結集した最強防寒スーツとあったからだ。

シェルはゴアテックスプロダクトであり、中綿にはプリマロフト。

さらに両肩にはストレッチの効いたニットタイプのゴアテックスが採用されていて腕の上げ下げのノンストレスな解放感を確保していること。
Daiwa Tournament Gore-Tex Rain suits impression.
そして、特筆すべきはインナーのダウンジャケットが用意されていることだ。

このダウンジャケットが優れものであり、ジップ&ジップで脱着可能性であり、表面は縫い目のない圧着タイプの撥水シェルが施されている。
それがなんとAmazonで販売されているのを発見してしまったのだ。

迷わずに即『ポチッ』としてしまったわけです。

ブラックの トーナメントレインは普段から使用しているので、内容的には同じようなものだが、両肩に施されたニットタイプのゴアテックスはストレッチニットが採用さらているところぐらいの違いだ。
そして、これまでに無かったパーフェクトな防寒タイプだと感じた。

早速翌日に届き試着してみた。

保温性能は特筆ものである。
また試着では、汗をかいたわけでは無いので、検証出来なかったのだが、レイヤードの基本である透湿が完璧なら尚更良いのだが、これは真冬の楽しみに置いておこう。

そして一番気になっていたのがインナーのダウンジャケットだ。

これがまた素材感が良く、表面は縫い目の無いシームレス圧着加工。

更に首の防寒も顎辺りまでカバーできるハイカラータイプ。

ゴールドの反射プリントが左胸・首周りと肩部、そして後上部に Tournamentのプリントがバックスタイルでも主張する。

これはダウンジャケット好きなGure8には刺激的であった。

価格は税込15万円とは高額だが、このパンフレットがあまりに印象的であったことが購入に繋がったと思う。



ダイワトーナメントレインDR1009T        
2019.5
 impression
(ご購入お考えの方、事前にご参照下さい)

一昨年の事である。
大幅にリニューアルされ、発表されたダイワのトーナメントレインDR1007。
このレインだが、YouTubeで山元隆氏が着用していたブラック&ゴールドの渋く派手なフィッシングシーンを見て一目惚れ。

そして、どんなレインか釣具店に行ったのだが、完売でありこちらのチェーン店でも同様で全て売り切れであった。

メーカーに問い合わせして頂いたのだが、メーカーも追加の製造はしないとの事で諦めていた。

その際に同等のモデルがでたら知らせてほしいと伝えておいた。
そして、2019年5月釣具店から連絡があり同等のものが入荷可能との連絡があった。 

よって入荷依頼をしておいた。

その二週間後程で入荷連絡があり、早速見に行ったのだが、もう一目見て格好良さに惚れ込んだ。

シマノの同等レインRB112R のM・ Lサイズも試着し比較してみた。
比較モデルはリミテッドプロゴアテックスフラッグシップモデル。
価格シマノRB112R(¥98300)
      ダイワDR1009T (¥110000)

シマノモデルのデザインは地味であり仕立てはややタイトだ。
ダイワのジャケットと同じゴアテックスニットバッカーが採用されている。

裏地には蓄熱素材が用いられ、レイヤリング次第だが11月後半から4月あたりまでは着用可能に思える。
コアアクト裁断で、磯での動きを重視した立体裁断なのだがMサイズはとてもタイトな仕立てでありパンツや袖丈も短い。 

厳冬期での厚手のレイヤリングが必要な場合はインナー、ミドラーとの重ね着してのアクションでは多少の窮屈感は否めない。

またパンツが短く座ると足首が露出してしまう。

そのためワンランク上のLサイズを着用してみたが、これでもしっくり来ない。 
LSというサイズもあるが取り寄せてまで試着するほど魅力を感じない。

まあ、一言で言うなら体型次第ではあるが
デザイン、レイヤリング仕様ではダイワ、サイズが合えば快適な機能面はシマノという感じである。

ダイワRT1009Tについて
三層ゴアテックス採用
ジャケットには肌に触りそうなところへはゴアテックスニットバッカー、強靭さを求めるところへはマイクログリッドバッカーが組み合わされている。

パンツにはニットバッカーと異なるゴアテックスマイクログリッドバッカーテクノロジーが搭載されている。

これは透湿をより促すジャケットと、透湿より強靭なパンツというコンセプトであり、磯での着用による機能を重視したようである。
ジャケット・パンツ上下で使い分ける人間工学に基づく機能を搭載しているのもこのモデルの特徴である。

これらは正にゴアテックス社最先端の機能であり、以前の単体ゴアテックス三層レイヤーより、ニットバッカーは柔らかくしなやかで、透湿はパンツのマイクログリットより15%上回る素材でありニット裏地の肌触りは快適だ。 これは素肌に纏うと良く分かる。

よって以前のシャカ感やゴワ感はほとんど無い。

また、ジャケットとパンツに異なるゴアテックファブリクスを用いているのも他社モデルにない取り組みである。

オールシーズンモデルでありながらゴアテックスパックライトと比較すると厚手であり真夏には向かないのだが、厳冬期では透湿を考慮したレイヤリングが不可欠になるので、この組み合わせは正に待ちに待った異なるゴアテックスの組み合わせモデルとも言える。

機能面では、立体裁断を駆使した仕立てで、釣りを行う上で多方向への動きにも、つっぱり感はなく、どんな動きにもストレスを与えない。

パンツウエスト部、サスペンダー部では肌に直接触れるパーツにはストレスを与えない素材を配置している。
裾は長くショートシューズ着用の際もベルクロを閉めれば足首は露出せず、冬場の寒風の侵入も防げる。

袖のカッティングも手の甲を守る仕様であり、長めに仕立てられている。
グローブに被る裁断とインナー袖にはリストガードもありシェルのベルクロベルトも手首あたりに配置され、これも今までにない快適仕様である。
さらに二重に設えた袖は雨水や風の侵入も防ぐ仕様だ。

フード調整は首上あたりに配置されたDDシステムのダイヤルボタンにて片手で簡単に調整ができ、耳方向へ閉まるフードとなり、視界が広くなりホールドも完璧であり、風によるバタつきはほぼゼロという画期的な仕上がりである。
以前のフードでは得られないほどに快適である。

前期モデルのヒップのほつれやすいというクレームによるリコール対象となった部分も強度生地を重ね縫いを採用することで縫製不良も改善されている。

デメリット
価格が高価であり、オールシーズンモデルであるなら、厳冬期に向けた取り外し可能な腰回りのエアカフカや上着だけのミドラーも付属してほしいものだ。

表面のナイロン生地には撥水加工が弱く、表地の撥水はイマイチである。
試しに海水を掛けてみたがゴアテックス独特の水玉になって撥水する事はなく、ただ表面生地に薄く染みると言う感じであり、これはかなりの不満を感じた。

ゴールドの刺繍が多く、高級感こそあるのだが、刺繍部に汚れが溜まりやすく、また針が刺さりやすく抜け難い、擦れなどでほつれる原因でもあるので、剥離し難いリフレクタープリントの方が軽快感も増したのではと思える。

Lサイズでは痩せている方太っている方、両者で着用可能な幅があり、パンツはウエスト調整D Dシステムのダイヤルをいっぱいまで締めてもウエストはおおよそ80cm。
わたしはもう少しウエストが細いのでサスペンダーで支えるわけだが、多少肩への負担は否めない。

シマノではDDシステムと同じ仕組みのBOAシステムによる調整ダイヤルがウエスト両サイドに配置され、こちらのシステムの方が素材、とりまわしや造り込みは遥かに勝る。

ウエスト両サイドにあるファスナーを開けるとマチ幅が設けられていて、これを全開にすると、おおよそウエスト110cmまで伸びるのだが、ここまで大きなウエストサイズならXL以上などで対応する筈であろう。

これでは大は小を兼ねると言うメーカー思考主義での商品と言わざるを得ない。  

総評:デザインの格好良さと各所に身体に優しいパーツを配置した造り込みは、フラッグシップ後継モデルでもあり先進的と言えよう。

異なるゴアテックスファブリクスを用いるとはゴアテックス社にニ通りを使用するパテントフィーが掛かるわけだが、この事は製作優先における企業努力を感じる。(この分は価格に乗っているわけだが・・・)

しかしながら、本記にて記載したようにサイズ幅はL〜XLまでの体型をカバーするような仕立てである。

ジャケット内側に収容ポケットは無く、アウトポケット内側に更にベンチレーションファスナーが設けられているがこのファスナーを開けるとアウトポケットに入れた小物が内側へ脱落してしまうことなど、機能と快適との両立においては、コストとのせめぎ合いが透けて見える。

DDシステムの跳ね上げ式ダイヤルボタンの強度が増していて以前の何かがダイヤルに当たるだけでボタンロックが解除されてしまう不良は改善されていた。

しかし、ボタンのロックがきつく、多少の力を入れないと解除出来ない。
これは使い込む過程で緩くなる事を防ぐためなのだろうか。
袖、股下は長めに作られているので、手足の長めの方はシマノモデルよりは快適に着られる。

ダイワならではの細部に至るまで多くの機能的なアイディアが生かされている。

商品開発への取り組みは機能としては良いのだが、快適面ではシマノに軍配があがる。
企業規模からしてシマノには及ばずも、もう少し開発段階で快適面も重視して欲しいものである。

この価格設定であるなら、尚更インナーへの配慮も欲しい。

快適さならシマノ、機能的ならダイワと言う感想であった。



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